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肉用牛
繁殖
経営
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平成12年度優秀畜産表彰等事業に係る
優良事例紹介
「酪農経営からET技術を活用しての
和牛繁殖経営への転換」
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小野田町 小山静雄
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1.経営管理技術と特色ある取組み |
1. 酪農から肉用牛繁殖経営への転換
平成6年に牛乳の生産調整等にともない収益性の低下を機に、酪農経営を廃業し、既存畜舎等の施設及び草地の有効活用による肉用牛繁殖経営に転換した。
2. 地域酪農家との協力によるET及び体外受精卵牛の有効活用
採卵牛は優良な血統の自家牛を用い、移植牛は地域酪農家の乳牛を用いて実施している。生産された子牛は、1頭10万円で生まれてすぐに購入するように契約している。また、宮城県畜産試験場で供給している体外受精卵も同様に乳牛に移植し、子牛を1頭9万円で購入する契約をしている。このことにより、増頭を積極的に図るとともに、地域酪農家の安定的収入の確保並びに本県和牛改良に貢献している。
3.草地基盤の有効活用による高飼料自給率
酪農経営時代からの継承及び水田転作等の借地により、自己採草地470a(内借地200a)、共同草地950a、放牧地50aと言う県内でも大規模な草地面積により、粗飼料TDN自給率94.7%と言う非常に高い自給率を誇っている。ちなみに、購入粗飼料は子牛用のヘイキューブと堆肥交換による稲ワラのみである。
4.我が家の牛飼い通信「やまざくら」の発行
奥さんが手書きの通信紙「やまざくら」を毎月作成し、県内外の牛飼い仲間15名に送付し情報交換等を図るとともに、自家産子牛の購買者にも送付しPRをしている。また、自家産子牛の購買者へ配布する際は、子牛の発育成績や肥育成績の報告書も同封し情報収集に努め、繁殖牛の改良等に活用している。更に、必要な情報は「買う」ものだという、ポリシーを持っている。
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2.経営の概要と実績 |
(1)労働力の構成
区分 |
続柄 |
年齢 |
農業従事日数 |
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備考 |
うち畜産部門 |
家族
(法人) |
本人 |
43 |
365 |
365 |
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妻 |
40 |
365 |
365 |
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父 |
65 |
365 |
365 |
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母 |
61 |
0 |
0 |
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長女 |
19 |
0 |
0 |
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次女 |
17 |
0 |
0 |
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三女 |
15 |
0 |
0 |
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長男 |
5 |
0 |
0 |
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常雇 |
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臨時雇 |
のべ人日 |
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主な作業内容 |
労働力 |
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計 |
3人 |
1095日 |
1095日 |
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(2)土地所有と利用状況
単位:a |
区分 |
実面積 |
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畜産利用地
面積 |
備考 |
うち借地 |
個別利用地 |
耕地 |
田 |
420 |
0 |
420 |
稲ワラ利用 |
畑 |
50 |
0 |
0 |
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樹園地 |
0 |
0 |
0 |
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計 |
420 |
0 |
420 |
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耕地
以外 |
牧草地 |
670 |
200 |
670 |
オーチャード・イタリアン |
野草地 |
0 |
0 |
0 |
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放牧地 |
50 |
0 |
50 |
オーチャード・イタリアン |
計 |
720 |
200 |
720 |
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畜舎・運動場 |
36 |
0 |
36 |
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その他 |
山林 |
932 |
0 |
0 |
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原野 |
10 |
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計 |
942 |
|
0 |
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共同利用地 |
950/2 |
0 |
950/2 |
2戸共同・オーチャード混種 |
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(3)家畜の飼養・出荷状況
単位:頭(羽) |
品種
区分 |
成牛 |
育成牛 |
子牛(うちET・体外受精) |
肥育牛 |
期首 |
24 |
2 |
12(♂ 3 0)
10(♀ 0 1) |
4 |
期末 |
26 |
4 |
10(♂ 2 0)
16(♀ 2 4) |
4 |
平均
(常時飼養頭数) |
25.7 |
3.7 |
24.9 |
2.9 |
年間出荷量 |
|
|
12(♂ 3 0)
11(♀ 0 1) |
1 |
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(4)施設等の所有・利用状況
種類 |
構造
資材
形式能力 |
棟数
面積数量
台数 |
取得 |
所有
区分 |
備考
(利用状況等) |
年 |
金額(円) |
畜舎 |
牛舎1 |
木造 |
158 |
S53 |
3,000,000 |
個人 |
|
牛舎2 |
木造 |
158 |
H2 |
6,246,840 |
個人 |
|
育成舎1 |
木造 |
26 |
S55 |
500,000 |
個人 |
|
育成舎2 |
木造 |
99 |
H2 |
3,000,000 |
個人 |
|
施設 |
飼料倉庫 |
木造 |
39 |
S55 |
500,000 |
個人 |
|
堆肥盤 |
コンクリート |
66 |
S55 |
1,000,000 |
個人 |
|
機械 |
軽トラック |
550cc |
1 |
H6 |
1,000,000 |
個人 |
|
ダンプ |
2t |
1 |
H2 |
3,089,000 |
個人 |
|
トラクター |
63Ps |
1 |
H2 |
3,690,000 |
個人 |
|
トラクター |
30Ps |
1 |
S54 |
2,200,000 |
個人 |
|
ボブキャット |
|
1 |
H1 |
2,859,000 |
個人 |
|
ラッピング |
|
1 |
H4 |
1,524,400 |
個人 |
|
洗浄機 |
|
1 |
H6 |
293,550 |
個人 |
|
レーキ |
|
1 |
H2 |
90,095 |
個人 |
|
バキュームカー |
|
1 |
H2 |
423,215 |
個人 |
|
ヘーメーカー |
|
1 |
H2 |
205,525 |
個人 |
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マニアスプレッタ |
|
1 |
H2 |
315,900 |
個人 |
|
モアー |
|
1 |
H2 |
528,515 |
個人 |
|
ロールベーラー |
|
1 |
H2 |
1,331,430 |
個人 |
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ベールグラブ |
|
1 |
H9 |
900,000 |
個人 |
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ブロードキャスター |
|
1 |
H2 |
106,350 |
個人 |
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(5)経営実績
期間 |
11年1月〜11年12月 |
経営実績 |
畜産会指標 |
経営の概要 |
労働力員
数(畜産) |
家族(人)
雇用(人) |
3 |
|
0 |
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成雌牛平均飼養頭数(頭) |
25.7 |
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飼料生産用地延べ面積(a) |
1.195a |
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年間子牛販売・保留頭数(頭) |
販売23 保留1 |
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生産性 |
繁殖 |
成雌牛1頭当り年間子牛販売・保留頭数(頭) |
0.93 |
0.9 |
平均分娩間隔(ヵ月) |
12.8 |
12.5 |
受胎に要した種付け回数(回) |
1.43 |
1.5 |
雌子牛1頭当り販売・保留価格(円) |
358.145 |
|
雌子牛販売・保留時日齢(日) |
311 |
270 |
雌子牛販売・保留時体重(kg) |
255.6 |
240 |
雌子牛日齢体重(kg) |
0.82 |
0.9 |
去勢子牛1頭当り販売・保留価格(円) |
406.088 |
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去勢子牛販売・保留時日齢(日) |
307 |
270 |
去勢子牛販売・保留時体重(kg) |
269.2 |
270 |
去勢子牛日齢体重(kg) |
0.88 |
1.0 |
粗飼料 |
成雌牛1頭当り飼料生産延べ面積(a) |
45.1 |
15 |
借入地依存率(%) |
16.7 |
|
飼料TDN自給率(%) |
94.7 |
80 |
成雌牛1頭当たり投下労働時間(時間) |
145.6 |
91 |
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(6)自給飼料の生産と利用状況
区分 |
ほ場番号 |
地目 |
面積 |
所有区分 |
飼料作物の |
10a当り収量 |
総収量t |
主な利用形態 |
牧草 |
1 |
草地 |
470a |
自己 |
オチャード、イタリアン混播 |
3,600kg |
169.2t |
ラップサイレージ |
2 |
草地 |
50a |
借地 |
オチャード、イタリアン混播 |
3,600kg |
18.0t |
乾草 |
3 |
草地 |
150a |
借地 |
オチャード、イタリアン混播 |
3,600kg |
15.0t |
乾草 |
4 |
草地 |
950/2a |
共同 |
オチャード、イタリアン混播 |
3,600kg |
171.0t |
乾草 |
5 |
放牧地 |
50a |
自己 |
オチャード、イタリアン混播 |
3,000kg |
54.0t |
生草 |
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3.家畜排せつ物の利活用と環境保全対策 |
畜舎周辺の花いっぱい運動等、環境美化への取り組み
近隣に観光地の薬莱山があり、自宅の前を観光客が往来するとともに、自宅東側に保育所が隣接しています。その為に観光客や園児が牛を見学に来る事がある。周囲の人達に畜産の良い印象をアピールするために清掃、消毒はもちろんのこと畜舎周りや畑に草花を植え、環境美化に努めている。 また、父母が野菜等を栽培し薬莱土産センターに出荷するとともに、自宅を訪問した観光客等にも新鮮な野菜を提供している。
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4.地域農業や地域社会との協調・融和についての活動内容 |
1. 草地及び作業機の共同利用
地域の肉用牛農家と一部草地(950a+借地150a)を共同利用し、互いの労働力及び作業機を効率良く活用して、牧草の適期収穫とコスト低減を図っている。3.
地域転作田の有効活用地域農家の転作田50aを借地し牧草を栽培している。
2.堆肥と稲ワラ交換
地域の水田150aの稲ワラと堆肥を交換している。なお、堆肥は水田農家のコスト及び労働力低減を図るため、自己有のマニュアスプレッターで散布までしている。
3.部会活動への積極的な取組み
和牛改良組合、和牛婦人部活動に積極的に参加し情報の収集・提供に努めている。婦人は、昨年の宮城県和牛改良組合コンクールで地域代表として発表するなどリーダーとして高い評価を得ている。
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5.後継者確保・人材育成等と経営の継続性に関する取り組み |
長男がまだ5歳と小さい為、後継者と成るかは判断出来ない現状である。しかし、小さい頃から牛に慣れ親しんでもらえるよう牛舎や、草地などに連れて行っている。また、三女が農業高校に通学しており、近頃興味を持って農作業等を手伝ってくれている。 酪農経営をしていた頃は、東京の大学より毎年2・3人実習に来ていたので、将来は実習生を受け入れる事が出来る規模まで拡大するとともに、経営の安定向上を図っていきたいと思う。
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6.今後の目指す方向と課題 |
1.平成16年を目標に繁殖牛40頭規模に拡大
(1)自家牛の産肉成績収集による市場性の高い牛の保留
(2)繁殖成績及び子牛の発育成績を収集し、母牛性が高い牛の保留
(3)ETの有効活用による高能力牛の多数確保
2.育成技術の向上
(1)育成技術の習得
(2)目標値
:雌子牛は300日齢、270.0kg 去勢子牛は300日齢、300.0kg
平成11年実績
:雌子牛は311日齢、255.6kg 去勢子牛は307日齢、269.2kg
3. パドックの整備
(1)繁殖成績の向上(発情兆候容易の確認、長期連産性の確保)
(2)子牛の発育・強健性向上
4.夏山冬里方式の導入
(1)地域荒廃山林の有効活用
(2)増頭に伴う飼料自給率の確保
5.地域農業者との仲間づくり
(1)農業者の高齢化に対応した組織育成
(2)情報交換等による地域農業の振興
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7.事例の特徴や活動を示す写真 |
[1]小山さん夫婦 |
[2]自宅前の放牧地 |
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[3]自宅前の放牧地 |
[4]牛舎内 |
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