牛伝染性鼻気管炎(届出伝染病)牛ウイルス性下痢ー粘膜病(届出伝染病)・牛パラインフルエンザ・牛RSウイルス感染症(届出伝染病)牛アデノウイルス感染症

 

病気の説明
 牛伝染性鼻気管炎は鼻汁の排泄等の呼吸器病や流涙等の眼症状を示し、牛ウイルス性下痢ー粘膜病は子牛の呼吸器病や下痢、妊娠牛では流産や盲目等の産後の異常、さらに一部の牛では免疫寛容牛が発生し致死性の粘膜病の原因となる。

 牛パラインフルエンザは、鼻汁の排泄、気管支炎、肺炎等の呼吸器病を主徴とし、牛RSウイルス感染症は一般的な呼吸器病のほかに肺気腫、皮下気腫等の重度の症状を併発し、特に成牛では症状が重い。

 牛アデノウイルス感染症は子牛の致死性の下痢や鼻汁の排泄等の呼吸器病を起こす。いずれの病気も牛の品種、年齢を問わず四季を通じて発生する。すべてウイルスの感染が原因である。

ワクチンの種類
 ・牛伝染性鼻気管炎・牛ウイルス性下痢ー粘膜病・牛パラインフルエンザ・牛RSウイルス感染症・牛アデノウイルス感染症混合生ワクチン

ワクチンの特性
 病気の予防効果は、接種の2週間後から発現し、約1年間持続する。妊娠中の子牛には、接種しない。

使用時のプログラム
 生後2週齢以降の牛に用いる。

 宮城県の子牛市場では、牛五種混合生ワクチンとヘモフィルス・ソムナス感染症不活化ワクチン(1回目)の接種が市場上場の条件となっている。

 他県では、子牛では1ヵ月齢時と4〜5ヵ月齢時の2回、それ以降の月齢では年1回接種する。放牧、導入時にはそのうち2週間前までに接種する。妊娠中の感染予防には、種付け3週間前までに接種を完了する。